研究概要 |
人のplatelet-derived rndothelial cell growth factor gene(PD-ECGH/dThdPase)のcDNAを慢性虚血心筋モデルを作成した犬の心臓に導入して、心臓の血管新生及び心機能を評価した。 人のPD-ECGF/dThdPaseのcDNAを哺乳類発現ベクターpCIに挿入して、PD-ECGF/dThdPaseを発現するpC止TPベクターを作成した。14匹のHBD犬の慢性虚血心筋モデルを用いて虚血に陥った領域と正常心筋の境界部にpCIhTPベクター3.5mgを2mlの生理食塩水に溶解したものを、27ゲージの注射器を用いて直接心筋に0.5mlずつ4カ所を注入した。コントロール群は等量の空ベクター(pCI)を注射した。2週間後、左心室dp/dt仙,動脈血圧を測定した後犬を犠牲死させ、心臓を摘出した。LAD領域、Lcx領域、及び肝臓、肺からサンプルを採集した。DNAおよびRNAを組織から抽出して、PCRおよびRT-PCRによる、transgeneの転写を確認した。 遠隔部位の発現(肺、肝臓)がないことも認めた。更に、western-blotによって人PD-ECGF/dThdPase蛋白の高発現を認め、活性の測定によってプラスミドを用いた遺伝子よって効能性のPD-ECGF/dThdPase蛋白質が発現していることを分かった。三回の術中所見では心外膜側の心筋梗塞は両群とも無かった。コントロール群では心内膜側に梗塞巣がはっきり分かるが、pD-ECGF/TP遺伝子治療した犬では梗塞巣が無かった。H&E染色によって、遺伝子治療を受けた犬の心筋の形態がほぼ正常であり、僅かの散在の顕微鏡レベルの小さな梗塞巣を認めた。 コントロール群では心筋が瘢痕化し、肉芽組織に占められていた。von Wellibrand factor抗体を用いた免役組織化学染色によってPD-ECGF/ThdPase注射によって慢性虚血心筋の血管新生および増殖している血管内皮細胞は著明に発達したことを明らかにした。その上、max dp/dtはコントロール犬の約2倍であり、心機能が有意に改善されていることを示していた。遺伝子治療犬ではapoptosisに陥った心筋細胞も有意に低下した。 上述の実験をまとめて、犬の慢性虚血心筋モデルにおいて、心筋局所にPD-ECGF/dThdPase遺伝子注射によって、血管新生を促進されただけではなく、心筋梗塞を予防すること、心機能を改善すること、そしてapoptosisを抑制することを明らかにした。
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