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2000 年度 実績報告書

温熱誘導アポトーシスにおける細胞内シグナル伝達についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 12671334
研究機関大阪医科大学

研究代表者

立花 秀一  大阪医科大学, 医学部, 講師 (90216987)

研究分担者 橋本 隆彦  大阪医科大学, 医学部, 専攻医
柴田 雅朗  大阪医科大学, 医学部, 講師 (10319543)
大槻 勝紀  大阪医科大学, 医学部, 教授 (50140166)
キーワード温熱誘導アポトーシス / ヒト肺癌細胞 / 細胞内Ca_<2+>濃度 / BAPTA / AM / p53 / Caspase-3
研究概要

組織型の異なる2種類のヒト肺癌細胞株を用い、温熱処理後からアポトーシスが実行される間の細胞内Ca^<2+>濃度変化を検討することを足がかりとし、非小細胞肺癌における温熱によるアポトーシス・シグナル伝達経路を検討することを目的としている。
1.用いた2種類のヒト肺癌細胞株(LK-2ヒト肺扁平上皮癌、LU65Aヒト肺大細胞癌)で、44℃・60分間の温熱によりアポトーシスの誘導を認めた。両細胞株とも、温熱48時間後にアポトーシス誘導率は最大値を示した。
2.ヒト肺癌細胞での温熱誘導アポトーシスにおいて、細胞内Ca^<2+>濃度が温熱直後と6-10時間後の比較的早期に上昇することを生きた細胞内でTime-lapse video-imaging法を用いて観察した。
3.いずれの時点での細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が温熱誘導アポトーシスのシグナル伝達に重要であるかを調べる目的で、細胞内および細胞外Ca^<2+>キレート剤(EGTA,BAPTA/AM)を熱ショックの前後に加え、アポトーシスの誘導率をflow cytometryを用いて比較した。ヒト肺扁平上皮癌株(LK-2)で、温熱前投与時にアポトーシスの誘導が有意に抑制された。他の条件では変化は認められなかった。
4.選択的小胞体Ca^<2+>-ATPase阻害剤(Thapsigargin)を種々の条件で投与し、細胞内Ca^<2+>濃度上昇の持続時間を変えることでアポトーシス誘導率を測定した。結果として、両細胞株ともに細胞内Ca^<2+>濃度の持続時間による誘導率の変化は認められなかった。
5.今までに細胞内Ca^<2+>濃度との関係が報告されているアポトーシス関連タンパク質(p53,Bax,Bcl-2,Caspase-3)の温熱による発現・誘導について検討した。LK-2細胞株で温熱によるp53の発現・誘導がみられたが、免疫染色で染色性を示した事からmutant typeと考えられた。一方、ヒト肺大細胞癌(LU65A)ではp53の発現・誘導は認められなかった。Bax,Bcl-2の温熱による発現・誘導は認められなかった。Caspase-3の活性は温熱後48時間で有意に上昇した。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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