本年度はラットの熱ショック蛋白(hsp)70、hsp60、hsp10、hsp60+hsp10遺伝子を培養細胞およびラットの脳内に過剰発現させることを目的として研究を行った.pSVTKベクターに組み込まれているhsp70とhsp60およびpRSC550に組み込まれているhsp10を用いて培養細胞に導入した.培養細胞には神経系細胞としてPC12をグリア系細胞としてC6細胞を用いた.リポソーム法によるトランスフェクション後にgeneticinにてセレクションした.導入条件および方法を種々変更したが、遺伝子の導入が得られなかった.そこで、ベクターを、より強力なプロモーター領域を有するpBKCMVに変更した.hsp70およびhsp60は容易に挿入が可能であったが、hsp10においては制限酵素部位が適合せず、平滑末端にして現在ベクターに挿入しているところである. 現在、pBKCMV-HSP70とpBKCMV-HSP60を用いて、培養細胞とラット生体脳への導入を行っている.PC12の培養細胞へのトランスフェクション後geneticinによるセレクションを行っているところである.脳内へは、エレクトロポレーション法を用いて導入を行っている.導入条件、導入DNA量、通電時間、電圧、電極幅等条件を選定中である.
|