研究概要 |
1.グルタミン酸による神経細胞死 1mMグルタミン酸60分負荷された培養神経細胞の傷害は観察48時間以内ではアポトーシスの主である事が分かった。Shimizu et al.(Cancer Res 56,1996)の方法、電顕、TUNEL法、アガロース電気泳動等の方法で証明した。また、1mMグルタミン酸60分負荷後細胞内ICE-、CPP34-like protease活性は増加し、6時間以内にピークを示して、その後徐々に低下した。また各グルタミン酸受容体agonistや阻害剤を用いた結果から、アポトーシスの割合と投与後6時間のICE-、CPP34-like protease活性が相関した。 2.モルモット血漿型PAFacetylhydrolase遺伝子導入によるグルタミン酸神経毒性の防御 アデノウイルスベクターを用いて神経細胞にPAFacetylhydrolaseをoverexpressionすると、アポトーシスが抑制された。同時にTBA法により脂質過酸化の程度が低下しており、MTT法でミトコンドリアの機能が保持されていることが分かった。PAFacetylhydrolaseによる酸化脂質の分解によってミトコンドリア機能が守られることがアポトーシス減少に関与している可能性が示唆された。この結果はBrain Res(885:128-132,2000)に発表した。
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