研究課題/領域番号 |
12671361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
宇野 昌明 徳島大学, 医学部, 講師 (90232884)
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研究分担者 |
板部 洋之 帝京大学, 薬学部, 助教授 (30203079)
福澤 健治 徳島大学, 薬学部, 教授 (90035551)
永廣 信治 徳島大学, 医学部, 教授 (60145315)
西 京子 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60335817)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | lipid / peroxidation / 酸化LDL / 頸部狭窄症 / carotid endartelectomy / lipid core / macrophage / plaque |
研究概要 |
粥状硬化性頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術(以下CEA)により摘出されたplaque内の過酸化脂質および酸化LDLに着目し検討した。初年度はプラーク中の過酸化脂質の指標としてThiobarbituric acid-reactive substgances(TBARS)を用いた。CEAにより摘出されたplaqueの病理学的にmacrophageやlipid coreが厚い不安定なplaqueほどTBARSは高い値を示した。次年度は板部らによって開発された抗酸化LDLモノクロール抗体(DLH3)を使用して動脈硬化巣の酸化LDLの含量を測定し、それが血中の酸化LDL濃度とどう関連するかを検討した。また手術前に頚動脈撮影や頚部超音波エコーで狭窄率のみならずplaqueの形態を評価し、CEAで摘出されたplaque(n=44)の病理組織所見及びplaqueの酸化LDL量との関連性を検討した。その結果、頚動脈エコーで低輝度を示したplaqueはmacrophageを多く含み、かつ、lipid coreが厚く、plaque ruptureやfibrous capの菲薄化の頻度が高い不安定なplaque(n=20)であり、その酸化LDL含量は安定したplaqueより3.6倍高値を示した。また免疫組織学的にDLH3抗体で強い染色性と一致した。しかし、症候性と無症候性との間ではplaque中の酸化LDL値には有意差はなった。患者血中の酸化LDL値は頚動脈狭窄症例でコントロール群(n=17)より有意に高かった。とりわけ不安定なplaqueを有していた症例ではコントロールより1.5倍と有意に高い値を示した。以上よりpalque中の過酸化脂質及び酸化LDLはplaqueの性状と関連し、血中酸化LDL値の測定は頸部エコー所見とともにCEA手術適応の良い指標になることが示唆された。
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