研究課題/領域番号 |
12671363
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
永廣 信治 徳島大学, 医学部, 教授 (60145315)
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研究分担者 |
松原 俊二 徳島大学, 医学部, 助手 (60294675)
佐藤 浩一 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90225938)
佐野 壽昭 徳島大学, 医学部, 教授 (80154128)
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キーワード | 脳動脈瘤 / 平滑筋細胞 / 形質変換 / ミオシン重鎖アイソフォーム |
研究概要 |
脳動脈瘤における血管平滑筋細胞の形質変換について各形質の分子マーカーに対する抗体を使用し免疫組織学的に検討した。32個のヒト脳動脈瘤壁を、コントロールとして7個のヒト脳動脈を使用した。ミオシン重鎖アイソフォーム(平滑筋特異的な成体型SM1,SM2と胎児型SMemb)、α平滑筋アクチン、デスミンに対する抗体を用いた。その結果、 1)コントロールの平滑筋細胞はα平滑筋アクチン、デスミン、SM1,SM2に対して強陽性を示したが、SMembに対してはほとんど陰性であった。 2)未破裂動脈瘤の平滑筋細胞ではα平滑筋アクチンは非常によく保たれていたが、デスミンは陰性であった。また11個の未破裂動脈瘤の内4個では、その平滑筋細胞のSMembの発現がコントロールに比べ明らかに増加していた。 3)破裂動脈瘤の平滑筋細胞ではα平滑筋アクチンは比較的よく保たれていたが、デスミンは陰性であった。またコントロールと未破裂動脈瘤に比べSM2の発現が低下しており、SMembの発現の増加している例も無かった。 このことは、ヒト脳動脈瘤壁の平滑筋細胞の形質は正常の脳動脈中膜の収縮型平滑筋細胞と異なることを示している。また未破裂動脈瘤の中には平滑筋細胞が合成型の形質に変化しているものがあるのに対し、殆どの破裂動脈瘤の平滑筋細胞は収縮型、合成型両方の形質を失っている可能性を示唆しており、脳動脈瘤の形成や増大、破裂機序を解明するうえで重要な研究と考えられる。今後平滑筋細胞の形質変換に対する転写因子の発現を免疫組織学的に調べる予定である。
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