研究課題/領域番号 |
12671363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
永廣 信治 徳島大学, 医学部, 教授 (60145315)
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研究分担者 |
松原 俊二 徳島大学, 医学部, 助手 (60294675)
佐藤 浩一 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90225938)
佐野 壽昭 徳島大学, 医学部, 教授 (80154128)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 脳動脈瘤 / 平滑筋細胞 / 形質変換 / ミオシン重鎖アイソフォーム / BTEB2 / macrophage |
研究概要 |
ミオシン重鎖アイソフォーム(平滑筋特異的な成体型SM1,SM2と胎児型SMemb)、α平滑筋アクチン、デスミンに対する抗体を用い免疫組織学的に脳動脈瘤壁の平滑筋細胞の形質について調べた。コントロールとしては剖検で得られたヒトの脳動脈を用いた。その結果、ヒト脳動脈瘤壁の平滑筋細胞の形質は正常の脳動脈中膜の収縮型平滑筋細胞と異なっており、未破裂動脈瘤の平滑筋細胞の一部は合成型の形質に変化していることが示唆された。また、殆どの破裂動脈瘤の平滑筋細胞は収縮型、合成型両方の形質を失っている可能性があり、脳動脈瘤の形成や増大・破裂機序において平滑筋細胞の形質変換が重要と考えられた。また、平滑筋細胞の合成型への形質変換の正の転写因子であるbasic transcription regulatory element binding protein 2(BTEB2)の発現を免疫組織学的に調べた。合成型平滑筋細胞の分子マーカーであるSMembが陽性の症例でその転写因子であるBTEB2が陽性の症例は今までのところ認められていない。また動脈瘤壁の平滑筋細胞の形態を電子顕微鏡で観察した。電子顕微鏡による平滑筋細胞の形態学的特徴は、基底膜が肥厚し、中には細胞質からはがれているものも認められたが、現在のところ破裂脳動脈瘤と未破裂脳動脈瘤壁の平滑筋細胞の形態学的差は認められていない、また免疫電顕によるS Memb陽性の平滑筋細胞も認められなかった。しかし破裂脳動脈瘤と未破裂脳動脈瘤壁の平滑筋細胞の形質の違いは明らかであり、平滑筋細胞の違いをさらに研究することは脳動脈瘤の破裂を防ぐ治療の開発に役立つのではないかと考えている。
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