研究概要 |
神経膠腫の約60%において染色体9q21に異常を認め、p16/p14ARFの発現異常が見られる。神経膠腫の悪性化にp16とp14ARFのいずれかがより関与しているかを明らかにすることにより、新たな治療を開発するための標的分子を明確にすることができる。 テトラサイクリンにて誘導可能なp14ARE, p16発現ベクターを作製し、U87MG(p16欠失、野生型p53)、U251(p16欠失、変異型p53)そしてU373MG(野生型p16、野生型p53)にそれぞれ遺伝子導入し、p14ARFとp16のいずれが増殖抑制効果を有するかを判定した。p16遺伝子導入による増殖抑制効果がp14ARFのそれよりも高かった。膠芽腫手術摘出標本をp14ARF,p16,p53それぞれの遺伝子異常に基づき、遺伝子プロファイリングを行い、いずれがより強い悪性形質をもたらしているかを明らかにする研究をスタートさせている。
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