研究分担者 |
孫 連坤 琉球大学, 医学部, 助手 (40325840)
鶴嶋 英夫 琉球大学, 医学部, 助手 (50315470)
斉藤 厚志 琉球大学, 医学部・付属病院, 講師 (40305199)
野崎 真敏 沖縄県衛生環境研究所, ハブ研究室, 室長
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研究概要 |
今年度は、I)生理活性を有するハブ毒素蛋白分画(分子量55kDa,25kDA)のアミノ酸構造の研究:高速液クロにより精製した蛋白分画を自動エマデン法により、N末端アミノ酸構造を解析した。II)invivoにおげるOHAP-Iの腫瘍増殖抑制効果の研究:ラット皮下にC6グリオーマ細胞(5x10^5ヶ)を移植し、移植後10日目にOHAP-I,1000ug/m1,200ug/m1を7日間連日腫瘍局所に注射し、コントロールと腫瘍サイズを比較検討し、さらに組織学的にアポトーシス細胞の出現率、腫瘍血管の増殖の程度を検討した。 【結果】I)-1)分子量約55kDaのハブ毒素蛋白はL-amino acid oxidaseにごく類似した酵素であり、事実invitroの細胞増殖抑制実験に於いてL-amino acid oxidase活性を認め、我々はこの蛋白質をOHAP-Iと命名した。I)-2)他の分子量約25kDaのハブ毒素蛋白はprotease活性を持ち、HR2a(奄美ハブ毒素蛋白)と極類似した蛋白質であった。我々はこれをOHAP-IIと命名した。II)-1)局注5日目より腫瘍体積の減少が著明となった。II)-2)局注群で腫瘍体積が減少した組織には、アポトーシス細胞が有意に増加し、腫瘍の全層に見られた。II)-3)腫瘍内の腫瘍血管数は、コントロールに比して局注群でじは著明に減少していた。【総括】今回は、ハブ毒素蛋白(OHAP-I, II)のアミノ酸構造は大まかに決定した。今後はハブ唾液細胞を用いたRNA、DNA検索、さらにはOHAP-I, IIのアミノ酸構造を利用したPCRプロープ作成等を進め、OHAP-I, IIのDNA構造を解析し、OHAP-I, IIのcDNAを合成して、脳腫瘍治療応用へと研究を展開する。
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