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2000 年度 実績報告書

慢性脳虚血の高次脳機能障害と脳内中枢性受容体の機能低下に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12671377
研究機関岩手医科大学

研究代表者

小笠原 邦昭  岩手医科大学, 医学部, 講師 (00305989)

研究分担者 小川 彰  岩手医科大学, 医学部, 教授 (10204067)
キーワードベンゾジアゼピン受容体 / 慢性脳虚血 / 高次脳機能障害 / 脳酸素代謝
研究概要

平成12年4月から平成13年2月までの間に18例に検査を行った。内訳は内頸動脈閉塞10例、中大脳動脈閉塞8例であった。positron emission tomography(PET)を用い脳血流量(CBF)、脳酸素摂取率(OEF)、脳酸素代謝量(CMRO2)およびベンゾジアゼピン受容体の分布を3次元的定量的に描出した。高次脳機能はWAIS-Rを用い点数化した。結果を以下に示す。1)ベンゾジアゼピン受容体の分布が低下している領域では、常にCBFおよびCMRO2の低下を示した。しかし、ベンゾジアゼピン受容体の分布が正常にも関わらず、CBFの低下あるいはCMRO2の低下を示している領域が存在した。ベンゾジアゼピン受容体とOEFとの関係では、ベンゾジアゼピン受容体の分布が低下している領域では、OEFの亢進は見られなかったが、ベンゾジアゼピン受容体の分布が正常な領域ではOEFが亢進している領域が存在していた。2)CBF、OEF、CMRO2およびベンゾジアゼピン受容体の分布の内、高次脳機能との相関があったのはOEF(r=-0.490,p=0.049)、CMRO2(r=0.591,p=0.031)、およびベンゾジアゼピン受容体の分布(r=0.721,p=0.008)であったが、最も強かったのはベンゾジアゼピン受容体の分布であった。すなわち、CMRO2が低下していてもベンゾジアゼピン受容体の分布が正常であれば高次脳機能の低下は軽度であった。また、ベンゾジアゼピン受容体の分布が低下している領域をもつ症例では重度の高次脳機能障害を認めた。以上のことから、脳主幹動脈閉塞性病変による慢性脳虚血においては、ベンゾジアゼピン受容体の機能異常により高次脳機能障害をきたすことが示唆された。また、ベンゾジアゼピン受容体の分布状態を知ることにより、高次脳機能障害の程度を知り得ることとも示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kuniaki Ogasawara: "Combination of early and delayed SPET imaging using 99m-Tc ECD immediately after local intra-arterial thrombolysis"European Journal of Nuclear Medicine. 28(掲載予定). (2001)

  • [文献書誌] Kuniaki Ogasawara: "Dynamic and static technetium-99m-ECD SPECT imaging of subacute cerebral infarction : comparison with xenon-133 SPECT"The Journal of Nuclear Medicine. 42(掲載予定). (2001)

  • [文献書誌] Kuniaki Ogasawara: "Brain SPECT studies using 99mTc-HMPAO and 99mTc-ECD early after recanalization by local intraarterial thrombolysis in patients with acute embolic middle cerebral artery occlusion"American Journal of Neuroradilogy. 22. 48-53 (2001)

  • [文献書誌] Kuniaki Ogasawara: "Prediction of acute embolic stroke outcome after local intraarterial thrombolysis : value of pretreatment and posttreatment 99mTc-ECD SPECT"Journal of Cerebral Blood Flow and Metabolism. 20. 1579-1586 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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