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2000 年度 実績報告書

新しい定位的クモ膜下出血ラットモデルの作製と血管攣縮の定量的記載

研究課題

研究課題/領域番号 12671378
研究機関獨協医科大学

研究代表者

金 彪  獨協医科大学, 医学部, 教授 (90231290)

研究分担者 朝来野 佳三  獨協医科大学, 医学部, 助手 (00316548)
川本 俊樹  獨協医科大学, 医学部, 助手 (50301461)
荻野 雅宏  獨協医科大学, 医学部, 助手 (80224137)
キーワードラット / クモ膜下出血 / 定位手術 / 血管攣縮 / 時間経過
研究概要

ラットにクモ膜下出血を脳定位手術装置を用いて正確に脳槽に注入する方法を確立した。動物をマスク・ガス全身麻酔下に定位台に装着固定し、穿頭、定位的に注入針の先端を、脳底槽でウイリス環の動脈近傍に挿入した。エバンスブルーで、脳槽、血管の染色が良好となるように確認し、最適パラメータと座標を決定した。動脈カテーテルから採取した自己血を注入することで,クモ膜下出血を導入した。注入が順調に行われ、回復が良好であったものには、明らかな神経症状の出現は認められなかった。1日から12日後まで一定期間経過の後、動物に全身麻酔をかけ、固定液とマイクロアンギオグラフィー用シリコンラバー溶液を心臓より灌流後、脳を取り出し実体顕微鏡を用いて、径の変化を観察した。対照群は、全身麻酔の後、同様の手術操作を行い、人工髄液を注入して同じ期間を経た群とした。Day1,day2においては確実に再現性をもって血管攣縮による狭小化が認められた(p<0.0001)。それぞれN=6の各群でday0からday12まで追跡した結果、脳動脈における血管攣縮の時間経過は、血管断面積でday1,day2で対照群の53%と52%にまで低下し、day4以降は回復した。Day4,day8,day12では、対照群と有意差を見出せなかった。この時間経過は従来、他の方法でラットに誘導されたクモ膜下出血・脳動脈攣縮のモデルと同様に、犬やサルなどのモデルに比べて、速くて短いものであった。定位的脳手術で脳底槽に血液を注入したラットのモデルでは、死亡率が少なく、均一かつ確実にクモ膜下出血と血管攣縮が導入されることを確立した点で有意義な成果をあげたと考える。今後は薬理学的な反応性や、生化学的なサイクリックヌクレオタイドの含有量や、高エネルギー燐酸含有量の変化を検討していく予定である。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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