研究概要 |
グリオーマにおいて高率に失活しているINK4a遺伝子座の遺伝子、p16とP14(ARF)のそれぞれの不活化の生物学的意義の解明のための研究を行っている。今年度は、テトラサイクリンにてp16,p14のそれぞれの遺伝子発現の調節が可能なベクターを両遺伝子がホモ欠失しているグリオーマ細胞U251-MG(p53遺伝子変異型),U343-MG(p53遺伝子野生型)に対してp16,p14遺伝子発現誘導可能な細胞のクローンを樹立し得た。 現在、このクローンを用いてin vitroにおいては、遺伝子発現がグリオーマ細胞増殖に及ぼす影響と様式をMTT法、フローサイトメーター等にて解析している。p14遺伝子は.p53遺伝子の上流に位置していることから、特に、p14遺伝子発現による増殖抑制がp53遺伝子の状態に依存するのかどうかに焦点を当てて検討する。さらに次年度にかけてin vivoにおける、両遺伝子発現がグリオーマ細胞の増殖、分化、老化に及ぼす影響をヌードマウスの皮下に遺伝子発現のON/OFF調節可能なクローンを注射し形成された腫瘍を用いて解析を進める準備をしている。
|