研究課題/領域番号 |
12671383
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
藤本 司 昭和大学, 医学部, 教授 (60014180)
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研究分担者 |
長島 梧郎 昭和大学, 医学部, 講師 (70262201)
浅井 潤一郎 昭和大学, 医学部, 講師 (10151010)
鈴木 龍太 昭和大学, 医学部, 助教授 (10119216)
佐藤 知樹 昭和薬科大学, 薬学部, 助手 (90183384)
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キーワード | 血管新生 / 血管新生療法 / 脳梗塞 / 血管性痴呆 / 硬膜 / 血管増殖因子 / 黄連解毒湯 / 当帰芍薬散 |
研究概要 |
虚血に陥った脳組織に、脳を被う脳硬膜から有効かつ豊富な新生血管を誘導させる、私達が開発した手術法RDP(Reversed durapexia)は、侵襲がすくなく、大変有効な治療法である。RDPの血管新生の機序を開明することにより、さらに効果的な治療法に発展させうることを期待して本研究を行なってきた。 昨年までは急性期の脳虚血モデルを用いて一連の研究を行なって来たが、今年は慢性的脳虚血モデルを作成し、より臨床に近い状況下での一連の研究を行なうことができた。モデルは両側頚動脈結紮による慢性期虚血モデルを用いて経時的に組織変化、血管増殖因子の動態、新生血管の分布について研究を進めた.海馬領域は7日後には虚血巣は完成するが、大脳皮質では30日後までにさらに進行がみられた。増殖因子は血管新生に大切な役を演じていると考えるが、部位によっては血管新生とは平行しなかった。この動物にRDPのモデルを作成し、そこに増殖因子を14日間持続的に作用させ30日後における血管新生増強作用を認めた。この経過を組織変化、増殖因子、血管新生の面から相互関係を検討した。 さらに昨年パイロットスタデイを行なった、黄連解毒湯、当帰芍薬散の脳虚血に対する脳保護作用を慢性脳虚血モデルを用いて検討した。この結果黄連解毒湯は急性期の虚血性変化も、慢性期における虚血性変化も軽減させ,当帰芍薬散は慢性期の脳虚血性変化を抑制することが示唆される結果を得た。これら西洋的および東洋的治療法の組み合わせも新たな発展の可能性が考えられる。 これらの成果は第12回International Vascular Biology Meetingで発表する。
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