研究課題/領域番号 |
12671390
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
後藤 英司 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50142807)
|
研究分担者 |
松野 丈夫 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10165847)
研谷 智 旭川医科大学, 医学部, 助手 (80322907)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
キーワード | MRI / 骨髄 / 大腿骨頭 / 血流 / 壊死 / 大腿骨頚部骨折 |
研究概要 |
大腿骨頸部内側骨折後の骨頭の骨髄血流をDynamic MRIで評価することができるか実証するために以下の実験を行った。 【実験1】成犬を用いた実験研究雄成犬を用い外科的処置により大腿骨頸部内側骨折を作成し、Dynamic MRIを撮像した。MRIで骨頭に関心領域を定めGd造影剤をポーラス注入後その信号強度を経時的に計測した。また血流が豊富な前立腺にも関心領域を設定しその信号強度を測定した。その結果対照側では注入後10秒前後で一度信号強度が低下しその後漸増するパターンを示したが、実験側においては一定の増減傾向は認めなかった。前立腺でも10秒前後で一度信号強度の低下を示し、その後急激な信号の増加を示した。信号低下を示した時間とその後の信号増加のパターンが骨髄の対照側と一致していることから、この信号変化は血流を反映していると推測された。Gd造影剤注入後早期におこる信号低下はsusccptibility効果と呼ばれる現象で脳外科領域において臨床応用されている現象である。したがって、骨髄血流の有無を知るために、本現象を利用すれば可能でであることが示唆された。 【実験2】ヒトにおけるEPIを用いたDynamic MRIによる骨頭血流評価 正常の股関節を有する成人男女4例においてDynamic MRIを行った。ボーラス注入後20〜30秒前後で信号が低下しその後快復した。また同側の大腿動脈の信号変化もほぼ同様の信号変化を示した。 以上からDynamic MRIにより骨髄血流の評価は可能であることが実証されたが、ヒトにおいては特殊な撮像方法を必要とするため現時点では簡便には行える方法ではない。しかし、今後MRIの性能が向上したり、新しい造影剤の開発によって簡単に施行できる可能性があり今後の進歩に期待したい。
|