研究課題/領域番号 |
12671393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
武井 寛 山形大学, 附属病院, 講師 (40292437)
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研究分担者 |
針生 光博 山形大学, 医学部, 助手 (40323167)
高木 理彰 山形大学, 附属病院, 助教授 (40241707)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | チタン / 摩耗粉 / 骨溶解(オステオライシス) / 骨芽細胞 / MMP / TIMP / サイトカイン |
研究概要 |
I.ヒト骨肉腫由来骨芽細胞様細胞MG-63およびSaOS-2、ならびにを用いヒト骨芽細胞を用い、チタン顆粒の存在下で培養した際の骨芽細胞様細胞の反応を解析した。これらの細胞はチタン顆粒を貪食することが認められた。さらにチタン顆粒の濃度が高くなるにつれて、細胞の生存率、増殖能が低下することが明らかとなった。以上より高濃度のチタン顆粒が存在する場合、局所の骨形成能が低下する可能性が示唆された。 II.同様の実験系において、Light Cyclerを用いた骨芽細胞機能関連蛋白の核酸レベルでの定量的解析を行った。特に蛋白分解酵素とその阻害物質に焦点を絞った。ハウスキーピングジーンとされているb-actinの発現はチタン顆粒の存在下で増強する事が明らかにされた。さらに骨芽細胞様細胞とチタン顆粒の共培養系において、12時間という短時間の培養ではMMP-1の発現は更新し、24時間を超えるとMMP-1,2などの蛋白分解酵素や、TIMP-1、2といった蛋白分解酵素阻害物質のmRNAの発現が低下することが明らかとなった。以上のことからチタン顆粒は骨芽細胞に影響し、MMP-1による骨基質の分解を促進し、破骨細胞を接着させやすくする可能性があると考えられた。 これらの結果から、骨とインプラント間に存在するチタン顆粒は、1)骨芽細胞の生存、増殖を直接阻害することにより、また2)骨基質の分解を促進する蛋白分解酵素の働きを強めること、などの機序によってインプラント周囲の骨吸収、骨融解に働く可能性が示唆された。
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