研究課題/領域番号 |
12671395
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
渡辺 秀臣 群馬大学, 医学部, 助教授 (40231724)
|
研究分担者 |
高岸 憲二 群馬大学, 医学部, 教授 (70154763)
篠崎 哲也 群馬大学, 医学部, 講師 (90251115)
|
キーワード | 骨軟部腫瘍 / FDG / PET / AMF / PHI / GPI / hypoxia |
研究概要 |
昨年度までに、骨軟部腫瘍の良悪性の鑑別や転移病変の有無の検索に、^<18>F-FDGを患者に投与して、腫瘍への集積をポジトロンCT(PET)で解析するFDG-PETが有用であることを明らかにし、比較的集積率にばらつきのある神経鞘腫においFDGの集積機序に低酸素状態とそれに伴う糖代謝の亢進が関与すること、骨巨細胞腫や軟骨芽細胞腫、そしてサルコイドーシスに高い集積があることを見い出した。また、解糖系が活性化するときに発現が増強する自己分泌型運動因子(AMF)が肺癌、肝臓癌の悪性化に関与することを示してきた。今回の研究の成果を以下に述べる。 1.臨床面からの研究成果 軟部腫瘍のFDGの集積動態を検討し(発表論文4,5)、特に血管腫における集積意所を他の画像と比較することにより検討して、神経鞘腫と異なり、局所的な低酸素状態に関連することを報告した(発表論文6)。また、本研究を始めた当初からの懸案である良性疾患の鑑別能の改善にcholineを用いることの有用性を報告し、PET診断の精度の向上に寄与した(発表論文3)。 2.基礎的研究面からの成果 PHIと同一分子の自己分泌型運動因子(AMF)の発現がFDG集積に関連する低酸素状態で誘発され、かつ悪性化に関与することを明らかにした(発表論文1)。そして、PHI/AMFの転移能獲得における機構の解明のためにアデノウイルスによる遺伝子導入システムを構築しその発現にFIF3AとGDI-betaが関与することを明らかにした(発表論文6)。 以上の結果から、課題として設定したFDGの集積機序の解明は臨床的にも、また墓礎的にも充分な成果が得られ、その結果を墓に、FDGの有用性とその限界、またmetyl-tyrosineやcholineなどの補助診断手法の開発に寄与することができた。
|