研究課題/領域番号 |
12671397
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 学 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60313136)
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研究分担者 |
織田 弘美 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60101698)
田中 栄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282661)
仲村 一郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30323596)
河野 慎次郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40333463)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / RANKL / 破骨細胞 |
研究概要 |
慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis,RA)は慢性に経過する全身の炎症性疾患であり、最終的には全身の関節の著明な破壊を来たし著しいADLの低下を引き起こす。破骨細胞は骨吸収を担う細胞であり、正常な骨モデリング・リモデリングに必要不可欠であることが知られているが、RA骨破壊においても破骨細胞が中心的な役割を果たすことが明らかになってきた。最近の分子生物学的研究から破骨細胞の分化にはtumor necrosis factor(TNF)ファミリーであるreceptor activator of NF-κB ligand(RANKL)が重要な役割を果たすことが明らかになってきた。われわれはRA滑膜組織においてRANKLが大量に発現していること、一方変形性関節症滑膜においてはRANKLの発現は低いことをNorthern blotting,immunostainingによって明らかにした。またRA滑膜細胞を活性型ビタミンD3とマクロファージコロニー刺激因子の存在下で培養することによって破骨細胞様の多核細胞が形成されるが、このときRA滑膜線維芽細胞においてRANKLの発現が誘導されること、そしてRANKLの競合阻害因子であるosteoprotegerinがこの培養系における破骨細胞様細胞の出現を抑制することを明らかにした。このようなRANKLの発現は炎症性サイトカインであるinterleukin-1やTNF-αによっても誘導された。またRAの動物モデルであるラットアジュバント関節炎における骨関節破壊はOPGの局所投与によって抑制された。以上の結果からRA骨関節破壊においてRANKLによって分化誘導された破骨細胞が重要な役割を果たしていること、破骨細胞の分化、活性化を抑制することによってRAの骨関節破壊の抑制が可能であることが明らかになった。
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