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2000 年度 実績報告書

脊髄損傷に対する遺伝子治療

研究課題

研究課題/領域番号 12671407
研究機関名古屋大学

研究代表者

松山 幸弘  名古屋大学, 医学部, 助手 (20312316)

研究分担者 川上 寛  名古屋大学, 医学部, 医員
キーワード脊髄損傷 / GDNF / microglia / macrophage
研究概要

【結果】RT-PCRではGDNF mRNAは損傷後30分で上昇を始め、3時間でcontrolの約10倍のピークに達した。その後徐々に減少していき、損傷後4週にはcontrolとほぼ同程度のレベルに戻った。免疫染色ではGDNFは損傷部だけでなく脊髄横断面全体に散在していた。controlではGDNF陽性細胞は脊髄前角にあるneuronと思われるNSE陽性細胞に弱く存在しており、ED-2,OX-42,GFAPとは重なりは認めなかった。損傷後1日の脊髄では、損傷中心部ではNSE陽性細胞はみられず、GDNF陽性細胞はED-2,OX-42と重なりがみられた。GFAPとは重ならなかった。よってGDNFはcontrolではneuronに、損傷後にはmacrophage, microg1iaに存在していると考えられた。
【考察】今回定量的RT-PCRによりGDNF mRNAは脊髄損傷後数時間という非常に早い段階でup-regulateされていることがわかった。また免疫染色ではGDNF蛋白の存在部位が受傷を契機にneuronからmicroglia, macrophageといった炎症性細胞にshiftしていることが示された。in vitroでは、炎症性サイトカインであるIL-1β,IL-6,TNF-αやFGFなどがグリアあるいは神経由来の培養細胞においてGDNF産生を促すとする報告がされているが、in vivoでもそれらのサイトカインが損傷後早い段階で、遺伝子レベルでGDNF発現を調節する働きがあるかどうかは定かでない。今後受傷後数時間以内に転写レベルでGDNF発現を促進する因子が何であるかを特定していく必要がある。生物学的意義としては、損傷後早期のGDNFのmacrophage,microgliaからのparacrine secretionがneuronに対して保護的に働く機能を有しているのかもしれない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hiroshi Kawakami,Atsumi Nitta,Yukihiro Matsuyama, et al: "Increase in Neurotrophin-3 Expression Followed by Purkinje Cell Degeneration in the Adult Rat Cerebellum After Spinal Cord Transection"Journal of Neuroscience Research. 62・(5). 668-674 (2000)

  • [文献書誌] Kotaro Satake,Yukihiro Matsuyama,Mitsuhiro Kamiya, et al: "Up-regulation of glial cell line-derived neurotrophic factor (GDNF) following traumatic spinal cord injury"Neuroreport. 11・(17). 3877-3881 (2000)

  • [文献書誌] Kotaro Satake,Yukihiro Matsuyama,Mitsuhiro Kamiya, et al: "Nitric oxide via macrophage iNOS induces apoptosis following traumatic spinal cord injury"Molecular Brain Research. 85・(1-2). 114-122 (2000)

  • [文献書誌] 佐竹宏太郎,松山幸弘,神谷光広,川上寛,岩田久,木内一壽: "急性脊髄損傷におけるGDNFの動態"日本整形外科学会雑誌. 74・(8). S1509-S1509 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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