研究課題/領域番号 |
12671414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅野 伸彦 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70273620)
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研究分担者 |
越智 隆弘 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80112035)
西井 孝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70304061)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 大腿骨頭壊死 / T2^*強調dynamic MRI / 微小循環障害 / アポトーシス / アレンドロネート / FK-506 / 臓器移植 / 多発性骨壊死 |
研究概要 |
骨壊死の発生機序として組織学的に壊死が観察される前の早期に骨内微小循環障害が起きていることを、T2^*強調dynamic MRIと造影MRIをウサギ血清病モデルに応用し明らかにした。一方でラットを用い骨組織が虚血により壊死にいたる過程でアポトーシスの形態をとることを明らかとした。また腎移植患者を対象に定期的にMRIを施行し、ONFHに特異的なband-patternが出現する前には骨髄浮腫を認める症例はなく、骨髄浮腫が虚血の原因ではないことを示した。さらに腎移植患者においてFK506の強力な免疫抑制力により急性拒絶反応が軽減化され骨壊死の発生が抑制されていることを示した。 壊死領域の拡大、縮小の有無について経時的な画像の変化を正確に検出できる3DMR volume registration法を応用し、発生早期の骨壊死がMRI上縮小しうることを明らかとした。一方で10年以上の長期経過例をMRIを用いて観察し、早期例以外でcollapseのないものでは10年以上の長期においても修復反応は壊死領域辺縁に限局する事を明らかとした。さらに壊死部の位置や体積を3次元的にMRIで評価できる方法を確立し、骨頭圧潰のリスクを正確に評価することを可能とした。また骨頭圧潰の程度と臨床症状との相関を検討し圧潰の深さが深いほど疼痛などの症状が著明であり、圧潰の微小なものは10年の長期観察でリモデリングされることを明らかとした。さらに骨頭圧潰の予防法としてはじめて臨床研究レベルでアレンドロネート投与が骨頭圧潰進行予防に有用であることを示した。大腿骨頭以外の部位の骨壊死罹患率についてMRIや骨シンチグラムを使って調査し、ステロイド性やアルコール性大腿骨頭壊死症ではその5割前後に多発性の骨壊死が合併することを明らかとし、骨壊死発生機序に血管や血液凝固、薬物傷害などの全身的な素因が関与していることを示した。
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