慢性関節リウマチ(RA)と変形性関節症(OA)におけるプロテアーゼの病態的意義を解明する目的で、両疾患患者の関節液、関節滑膜中に存在するセリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼに注目し、セリンではトロンビン、トリプターゼが滑膜細胞の増殖にカテプシンB&Lが関節マトリックスの破壊に関与していることが分かってきた。 1.関節液から精製したカテプシンBが、プロウロキナーゼをウロキナーゼに活性化させることを示し、関節破壊において直接作用以外にも線溶系酵素の活性を介した間接的作用があることが分かった。 2.トロンビン、肥満細胞トリプターゼの培養滑膜線維芽様細胞の添加実験では、添加するトロンビン、肥満細胞トリプターゼは濃度依存性細胞増殖作用があり、IL-1、IL-6、IL-8、TNF-αなどの炎症性サイトカインのうちではIL-6、IL-8が有意に培養滑膜線維芽様細胞から産生放出されることが分かった。
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