研究概要 |
ラット胎児の中枢神経より初代培養したアストロサイト、マイクログリアに細胞内cyclic nuclettideを上昇させるため細胞膜透過性のある8-bromo-cyclic AMP,8-bromo-cyclic GMPを投与し、細胞からのサイトカインの一つであるTNF-αの放出量にどのような影響を及ぼすかを検討した。8-bromo-cyclic AMP,8-bromo-cyclic GMPはともにTNF-αの放出を抑制した。この実験系でphosphodiesterase inhibitorの効果を調べるが、phosphodiesteraseにはType-1からType-5までがあり特にcyclic AMPにselectiveなType-4inhibitorであるroliplamとcyclic GMPにselectiveなType-5inhibitorであるdipyridamoleを投与したところ、ともにTNF-αの放出量を著明に抑制した。PropentofyllineはType-4,Type-5のphosphodiesteraseを抑制するが、この薬剤を投与すると、TNF-αの放出量が著明に抑制された。今後の研究としてはphosphodiesterase inhibitorの細胞増殖能に与える影響や、TNF-α以外のサイトカイン放出に関する影響を蛋白レベルのみならず、mRNAレベルについても検討していく予定である。
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