研究概要 |
前年度のウサギを用いた研究において、human recombinant BMP-2(hrBMP-2)にて誘導された骨組織が筋弁の形にしても壊死とならず、形を維持し生存していたことが明らかになった。しかしながら、誘導された骨組織は早い時期に骨改変にて吸収される傾向があった。そこで、今回bisphos phonateを同時投与し、骨誘導能に引き続いて起こる骨吸収の抑制を試みた。 1.ラットを用いて、まずβTCPを担体としてhrBMP-2を筋組織内に投与し、経時的な骨誘導の変化を観察した。直径5mm,厚さ2mmβTCP diskに17μg hrBMP-2を染み込ませ氷上にて30分間置いた後に大腿四頭筋に埋め込んだ。投与後1,2,3,4週にて同筋組織を採取し、レントゲン写真及び組織学的に検討した。TRAP染色した標本にて多核巨細胞数を数えると、投与後2週にて最も多かった。 2.そこで、rhBMP-2とbisphosphonateを同時投与する実験を行った。βTCP diskに17μg hrBMP-2と4種類の異なる濃度のbisphosphonateを含む溶液を染み込ませ、実験1と同様に大腿四頭筋に埋め込んだ。投与後2週目におけるTRAP陽性多核巨細胞数を調べた。最も濃い濃度から2番目までの群にて、コントロール群と比べてTRAP陽性多核巨細胞数が減少していた。組織標本ではbisphosphonateを使っていないコントロールと比べて組織学的にも骨組織が多い傾向があった。現在、投与後4週目を含めて定量的な検討を行っているところである。
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