研究課題/領域番号 |
12671426
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
水田 博志 熊本大学, 医学部, 助教授 (60174025)
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研究分担者 |
中村 英一 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (70274719)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | fibroblast growth factor / full-thickness defect / repair / mesenchymal stem cell / cell migration / chondrogenesis |
研究概要 |
本研究では短期間のFGF-2投与が関節軟骨の再生に与える影響について検討した。成熟家兎の大腿骨膝蓋面に自己修復不可能な5mm経の軟骨全層欠損を作成し、osmoticpumpを用い膝関節腔内fibroblast growth factor-2(FGF-2)を1日、3日、1週または2週投与した。その結果、いずれの投与期間群でも術後2週で骨髄から遊走した未分化な細胞の軟骨細胞への分化が観察され、旺盛な軟骨形成と欠損深部からの軟骨組織の骨組織への置換により、術後8週で本来の組織構築が再生された。5mm経欠損作成後、膝関節腔内にFGF-2を1日、3日または1週投与し、1週後の欠損部を充填した未分化な細胞のProliferating cell nuclear antigen (PCNA)陽性細胞を測定すると、FGF-2を投与したいずれの群でも、1週PBSを投与した対照群に比べ、陽性細胞の比率は有意に高かった。次に膝関節腔内に投与されたFGF-2の経時的動態を知るために、5mm経欠損作成後、欠損を充填した血腫内に、^<125>I-FGF-2を注入し、投与後30分、60分、90分、180分の欠損部血腫内に残留するRIを測定した。その結果、^<125>I-FGF-2は時間依存性に急速に消失し、その半減期は30分以下と推測された。さらに、家兎長管骨より分離培養した骨髄未分化間葉系細胞の培養系で、その遊走に及ぼすFGF-2の影響をchemotaxis chamberを用いて検討した。その結果、遊走細胞数はFGF-2濃度に依存して有意に上昇し、FGF-2のchemotaxis作用が示された。 以上より、FGF-2シグナルは骨髄に由来する軟骨幹細胞の欠損部への遊走及び増殖維持シグナルとして軟骨分化誘導に貢献しているものと考えられた。
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