研究概要 |
1.ラット正常末梢神経におけるCx32発現の形態学的解析 (1)組織切片での観察 1)蛍光顕微鏡:正常ラット坐骨神経を3%パラフォルムアルデヒドで固定し,洗浄,包埋後,厚さ9μmの凍結切片を作製し,界面活性剤(0.25%Triton-X)処理を行った.その後Cx32を認識するHAM8抗体を,そしてFITC標識抗マウスIgGを反応させ観察した.その結果,反応は末梢神経のランヴィエ絞輪両側に認められた.本実験で固定,処理の条件が決定された. 2)透過型電子顕微鏡:免疫電顕標本観察の前に正常末梢神経の透過型電顕で観察し,その超微形態を確認した. 3)免疫電顕:1)の方法で作製された標本への抗体反応で,2次抗体に金標識抗マウスIgGを反応させ染色し,透過型電顕でHAM8抗原の超微局在を観察した.またその時,2)での結果も十分参考にした.しかし,良好な結果は得られていない. (2)遊離神経線維での観察 末梢神経を針先でほぐし遊離させた.サイトローターで線維をプレパラートに張り付け,上記処置を行い染色した.得られた結果は(1)と同様でランヴィエ絞輪両側に陽性像を認めた.同標本は蛍光顕微鏡観察し新規に購入した3CCDカメラで画像を記録し,また共焦点レーザー顕微鏡で観察し,デジタルデータとした. 2.ラット正常末梢神経におけるCx32の機能解析 マイクロマニュプレーターでミエリン鞘内にLucifer Yellowを注入し,倒立位相差蛍光顕微鏡下でその拡散状況を観察する予定であったが,現在その技術の修得中である.
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