研究概要 |
脊椎後縦靭帯骨化症(OPLL)は骨化靭帯による慢性の脊髄圧迫のため、重篤な脊髄障害をきたす難病である。我々はOPLLには遺伝的背景が存在することに着目し罹患同胞対連鎖解析を用いた家系解析を行いOPLL病因遺伝子候補として第6染色体上のコラーゲン11A2遺伝子を見いだした。その候補遺伝子であるコラーゲン11A2の機能解析は昨年平成12年度科研費実績報告している。しかしOPLLという疾患自体が多因子疾患であるためコラーゲン11A2遺伝子以外の遺伝子や染色体にもOPLL病因遺伝子が存在することが考えられた。 本年度は罹患同胞対連鎖解析による全ゲノム連鎖解析を終了し、新たにCDH13,BMP4,PRG1,TGFb3,OPN, PTHR1,IGF1などの候補遺伝子を見出すことに成功した。その一部の候補遺伝子については実際に・骨化形成段階での遺伝子発現量を経時的に計測し、その機能について限定的であるが確認できている。これらの結果は骨代謝関連では世界的に知られたJournal of Bone and Mineral Researchに本年度すでに掲載されている。
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