研究概要 |
RAの関節局所では好中球やマクロファージ由来の細胞外に発生したR0Sことに%O_2^-が組織を傷害しており、これまでにもMnまたはCu, Zn-SOD蛋白を投与してCIAを治療する試みがなされてきたが、半減期が短くその効果は満足できるものではなかった。これらROSを消去するためには細胞外に作用するSODである必要があることから、我々はMn-SODやCu, Zn-SODなどのintracellular SODではなく分泌型のEC-SOD遺伝子を用いて検討を行った。EC-SODは分泌されて細胞外で作用するため、RAのように一カ所ではなく多発性関節炎をきたす疾患に対して全身的な効果を期待できる。本研究においてマウスにEC-SOD遺伝子導入線維芽細胞を接種したところ、血中でのEC-SOD活性は対照群に比べ、接種後4日後に約3倍のピークを示した。また、マウスにコラーゲンを接種して多発関節炎を惹起したところ、EC-SOD遺伝子導入線維芽細胞の接種は、多発性関節炎に対して有効であることが確認された。これは、関節炎により上昇したO_2^-が、EC-SODにより十分に消去されたことが、関節炎の治療に有効であったと考えられた。本遺伝子治療法は長期間のSOD供給を可能とし、関節炎の抑制において優れており,臨床応用への可能性が高いものである。
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