研究課題/領域番号 |
12671435
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
前田 学 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80311926)
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研究分担者 |
大軽 晴彦 大日本製薬株式会社, ラボラトリー事業部・研究開発部, 部長
芳賀 敏実 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20192263)
三井 宣夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70145845)
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キーワード | 細胞周期関連タンパク質 / 血清診断 / 骨肉種 |
研究概要 |
我々は上皮系悪性腫瘍のスクリーニングとして、細胞周期関連タンパクを用いた血清診断が有用であることを発見した。そこで、これら診断技術が肉腫の領域(骨肉腫、MFH等)にも応用ができかについて検討のについて本年基盤(c)-2において以下の検討を加えてきた。 1)骨肉腫、MFH 2)各種良性腫瘍 3)正常ボランティア 上記1)での陽性率、2)などの膠原病、各種良性腫瘍、炎症性疾患での疑陽性率の検討および3)正常ボランティアにおける疑陽性率の検討をWestern blotting法を用いておこないました。結果、症例数は少ないものの、骨肉種5例中3例、MFH4中2例において、細胞周期関連タンパク質を血清中に確認した。また、正常男女100例に対しての、疑陽性率の検討では、疑陽性率0%でありました。これらの結果から、現在細胞周期関連タンパク質に対しsandwich EIISAの有用性を検討している。結果、固層化する抗体の問題で微量でのPCNAの定量が困難であることがわかった。そこで新たに微量でも血清中のPCNAを捕らえることのできるさらによい抗体を作成すべく、準備中である。現在抗原精製したPCNAを純度について検定しているところである。 また、これら診断が可能である根拠について、癌および正常細胞株を用いて検討した。特に、培養上清中へ細胞周期関連タンパク質の移行が、細胞壊死と相関していることを確認することを目的とした。正常乳腺細胞(HBC)人乳癌細胞株(C47D、MCF7)マウス乳癌細胞株(C1271、MMT060562)をLab tech chamber内で培養し、0Gy、5Gy、10Gy、15Gyの線量で照射、24・48時間後に培養上清中の細胞周期関連タンパク質の濃度を検討した。また、各条件下での細胞を、PBS洗浄後アルコール固定し、X線照射および非照射下での細胞周期関連タンパク質の細胞内の局在についても、免疫組織化学的に検討した。結果、細胞の壊死に伴い、細胞周期関連タンパク質の局在は喪失し、培養上清に移行した。また、培養上清中の濃度は、細胞の壊死数に比例することが判明した。また正常組織においてのPCNAの発現および細胞の入れ替わりに置けるPCNAの代謝について検討をおこなった。結果正常組織では細胞が崩壊する前に代謝されていることがわかった。
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