研究課題/領域番号 |
12671436
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
峰原 宏昌 北里大学, 医学部, 助手 (70327352)
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研究分担者 |
内野 正隆 北里大学, 医学部, 助手 (90255323)
占部 憲 北里大学, 医学部, 講師 (90284489)
糸満 盛憲 北里大学, 医学部, 教授 (70104528)
宮部 基 北里大学, 医学部, 助手 (20296487)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 骨端軟骨 / 甲状腺ホルモン / 成長ホルモン / 成長因子 / 骨折治癒 / 変形性関節症 |
研究概要 |
1)骨端軟骨における成長ホルモン及び甲状腺ホルモンの作用を、ラット大腿骨の器官培養系を用い検討した。この研究より甲状腺ホルモン及び成長ホルモンの局所因子としての作用は、直接的な影響の他に種々の成長因子を介しての反応があることが考えられた。 2)骨折治癒における仮骨の形態学的変化と成長因子の発現を観察するため、ラット大腿骨の皮下骨折をKirschner鋼線で固定した群(KW)、ナイロン糸で固定した群(NF)、非固定群(RM)の3群を作成し、3・7・14・21日後に、組織の形態学的計測をし、免疫組織学的にPCNA、TGF-β1の局在を観察した。その結果、血腫は3日でRMが最大、肉芽組織は14日でRMが他群の2倍となり、7日にNFがKWの2倍になり後に縮小した。PCNAは3日、3群とも肉芽の線維芽細胞様細胞と軟骨細胞に局在し、7日ではKWのみ維芽細胞様細胞の染色性が減弱した。TGF-β1は7・14・21日に3群とも増殖軟骨細胞と前肥大軟骨細胞に発現し、RM群で最も発現率が高かった。骨折部が不安定な例では細胞増殖を伴う肉芽を形成し、TGF-β1発現率が高く、軟骨分化の遅延が示唆された。 3)変形性関節症(OA)の骨棘形成に対する成長因子の関与を検討するため、人工関節置換術時に採取された大腿骨頭の骨棘を用い、RT-PCR、免疫組織染色法により成長因子の発現を検索した。対象としてOAと大腿骨頭壊死(AN)骨頭の海綿骨を用いた。その結果、TGF-β1mRNAは骨棘の軟骨表層と線維性結合組織内の細胞質内に発現し、bFGFmRNAは骨棘深層の細胞質内にも発現していた。一方、OA、AN骨頭の海綿骨には、ほとんど発現が見られず、OAの変性軟骨ではTGF-β1に比べ、bFGFが多く発現していた。これらは、いずれの成長因子も骨棘形成に関与するが、局在の相違からTGF-β1がより強く関与することを示された。
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