研究課題/領域番号 |
12671437
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
横山 一彦 北里大学, 医学部, 講師 (00182709)
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研究分担者 |
青木 信一 北里大学, 医学部, 助手 (60286309)
糸満 盛憲 北里大学, 医学部, 教授 (70104528)
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キーワード | 大腿骨 / 髄内釘法 / リーミング / 肺障害 / 動物モデル |
研究概要 |
長管骨骨折の内固定方法として、髄内釘法は確立された手術手技である。しかし、従来からよく行われてきた髄内釘挿入前に骨髄内および骨皮質内側を削る操作、すなわちreamingにより骨髄内の脂肪を血中に押し出すことによる脂肪塞栓による肺障害が問題とされている。このため、最近はこのような肺障害を予防するため、reamingしないで(非リーミング、non-reaming)、髄内釘を挿入する手技が臨床的にはよく用いられるようになってきた。本研究の目的は、このようなnon-reaming手技が、従来のreamingする手技に比べ本当に肺障害が軽減できるのかどうかを、また、もし軽減できるとすればどのよな機序をもってその効果が発現されるのかを、実験動物を用いて明らかにすることである。 羊を用いて、静脈および吸入麻酔導入後、血圧モニターと血液ガス分析のための動脈ライン、維持輸液とhemodynamics分析および血清生化学分析のため、中心静脈よりSwan-Ganzカテーテルを挿入、心房内の脂肪粒子観察のため、開胸後、右房直上に超音波装置を留置、さらに骨髄内圧測定のため、大腿骨遠位(膝関節面より1-2mmの部)にあらかじめ圧センサーを設置する。なお、圧モニター関係のデータはデータ収録/解析システム(Mac Lab/85、米国ADI社製)を介して、パーソナルコンピューターに連続的に記録可能となるようにする。以上の準備が終了した後、大腿骨(骨折なし)に対し、、リーミング、および非リーミングでAO Universal Nail(12mm径)、AO UFN(9mm径)を各々挿入し、麻酔導入前後、各モニター設置後、骨髄開放前後、リーミング時、髄内釘挿入時、釘挿入直後、釘挿入後から6時間まで様々な生化学的およびhemonaynamicパラメーターを測定した。本年度は8頭につき、実験を行った。傾向としてはリーミング群において、肺動脈圧の上昇と髄腔内圧の上昇を認めたが、さらに実験頭数を増やし、統計学的に処理しリーミング、および非リーミング手技による肺障害への影響の差異を明らかにしていきたい。
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