初年度は、Schwann細胞を人工素材に播種してから培養系に移行し、in vitroで神経組織に匹敵するものを作製した.次年度は、ハイブリッド型人工神経を作製し、それをラットの坐骨神経に移植して、再生神経の誘導能を観察した. 使用した人工神経は、外径2mm、内径1mmのスポンジ構造をした生体吸収性ポリマーtubeで、材質は、ε-カプロラクトン(CL)とL-乳酸(LA)の共重合体〔P(CL/LA)〕(モノマー比1:1)である.スポンジの孔径は、Schwann細胞(直径約30μm)が生着しやすいように、平均50μmに調節している.Wistar系ラットの坐骨神経からcollagenase/dispaseを用いて細胞を分離し、これを培養して増加させscaffoldへの播種を行った.播種操作を終了したtubeは、培養系に移行して48時間培養した.組織培養したハイブリッド型人工神経はglutaraldehydeで固定し、電子顕微鏡を用いて培養の様態を観察したところ、大量のSchwann細胞がネットワークを築きながら生着していた. ラットの坐骨神経に20mm長のgapを作製し、(1)Schwann細胞を3次元培養したpolymer scaffold、(2)Schwann細胞をseedingしていないpolymer scaffold、(3)silicone tubeを移植した.術後8週で神経を採取して、組織学的検索を行った.Schwann細胞をseedingしたtubeでは、全例において架橋組織が観察された.一方、Schwann細胞をseedingしなかったtube、silicone tubeでは、再生は不良であった.
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