研究概要 |
まず、3mm厚の10mmセメント円盤(内腔2.3mm)を作成しrhBMP-2を5μg添加した。さらに、内腔に骨髄血を充填した。1)rhBMP-2+骨髄血、2)rhBMP-2、3)骨髄血、4)セメントのみの円盤の4種類をSDラット皮下に留置し3,6週観察した。rhBMP-2+骨髄血群はrhBMP-2群に比べ3.5倍の骨形成を3週で認め、骨髄血のみよりも骨形成が多かった。rhBMP-2のみの添加ではセメント周辺しか骨形成が生じなかったが、骨髄血の添加により内腔全体に骨形成が生じた。 次に、5x5mmセメント円筒(内腔3mm)をSDラット大腿骨の全骨欠損部に留置し、rhBMP-21.26μ9添加群、rhBMP-21.26μg+骨髄血添加群と骨欠損の修復を比較した。RhBMP-2+骨髄血群は3週で内腔内に骨形成を生じ、9週で60%が骨癒合し、BMP-2群は4o%、骨髄血群は0%が癒合した。しかし骨強度はRhBMP-2+骨髄血群で正常骨の70%であった。骨欠損部でもRhBMP-2+骨髄血の有効牲が確認された。 最後に、骨髄細胞を培養してからフィッシャーラット背部皮下にセメント円盤+5μgrhBMP-2+骨髄細胞10^4個、セメント円盤のみ、セメント円盤+5μg rhBMP-2、セメント円盤+骨髄細胞、5mm type-エコラーゲン+5μg rhBMP-2、5mm type-I、コラ-ゲンを移植した。4,8週後に屠殺し骨形成量を比較したgtype-Iコラーゲンでは5μg rhBMP-2添加では骨形成は生じず、セメント円盤+5μg rhBMP-2+骨髄細胞群はセメント円盤+5μg rhBMP-2群、骨髄細胞群に比べて有意に多い骨形成を示し、成熟した骨形成を示した。以上より、骨髄細胞の添加は、セメント-rhBMP-2の骨形成に必要なBMP量を低減するのに有効な方法であることが確認できた
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