ICUにおける室内環境の実態調査(気温・湿度・照度・騒音の同時連続測定による動態解明)を行った。 【目的】ICUの室内環境に関して、光や音など個々についての報告は最近よく認められるが、気温や光おより音のパラメータを同時かつ連続測定した報告は少ない。今年度は、ICUにおける気温・湿度・照度・騒音の同じ連続測定を試みた。【方法】患者のベッドサイド(主に頭部付近)に温湿度計(TR-72S;デイアンドデイ社)、照度計(510;横河M & C社)、騒音計(NL-06;リオン社)を設置した。2001年4月から2002年1月まで計24人の患者において24時間の同時連続測定を延べ99日間にわたって実施した。【結果】気温は23〜25℃で日本病院設協会規格(HEAS-02)の範囲内であった。湿度は7〜8月の夏季は55%と高かったが、冬季は低く乾燥している傾向があった。照度は昼間、窓のある病室で500〜2000Lx、窓に面していない病室で400Lxと窓の有無による差が大きかった。騒音は等価騒音レベルで昼間は約57dB、夜間は54dBと昼夜を問わず高かった。【結語】患者にとって室内環境は重要で、QOLや生理的パラメータにも影響を及ぼす可能性がある。多施設共同研究を行う際にもこれらの環境因子を実際に調査し比較しておく必要があるかもしれない。
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