研究課題/領域番号 |
12671469
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
橋本 圭司 島根医科大学, 医学部, 講師 (60252920)
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研究分担者 |
坂口 泰子 島根医科大学, 医学部, 助手 (20322224)
宮本 寛 島根医科大学, 医学部, 助手 (20297005)
斉藤 洋司 島根医科大学, 医学部, 教授 (50162243)
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キーワード | 硬膜外投与 / くも膜下投与 / 神経毒性 / 脊髓 / 局所麻酔薬 |
研究概要 |
自由行動下での持続くも膜下腔および硬膜外腔注入モデルの確立と局所麻酔薬の持続くも膜下腔注入による神経障害の組織学的検討を目的に以下の実験を行った。 Spurague-Dawlyラットを対象として、ペントバルビタール麻酔下に後頭環椎間膜からくも膜下腔カテーテルまたは硬膜外カテーテルの留置を行った。24時間の回復期間の後、自由に動き回れる大きさのアクリルケースにラットを入れ、くも膜下腔カテーテルまたは硬膜外カテーテルにシーベルを接続した。くも膜下腔カテーテルまたは硬膜外カテーテルの有効性を検討するため、微量持続注入器を用いて局所麻酔薬(リドカイン)の注入を24時間行った。くも膜下腔カテーテルモデルに比較し硬膜外カテーテルでは有効性が低かった。くも膜下腔カテーテルモデルにおいては、0.5%のリドカインを持続投与し神経障害を検討した。注入終了後、ラットをホルマリンで灌流固定し、脊髄を取り出し、脊髄円錐部から尾側の病理標本を作製した。トルイジンブルーで染色した標本を光学顕微鏡で観察し、神経軸索の脱髄変性の程度で神経組織の障害を評価した。生理食塩水を注入した群では神経軸索の変性や脱髄は認められなかったが、0.5%リドカインを持続注入した群では約5%の神経軸索に変性や脱髄が認められた。 今回の初期実験により、自由行動下での持続くも膜下腔モデルを確立することができたが、カテーテル挿入部位を含めより有効性の高硬膜外腔注入モデルを検討する必要がある。今後これらのモデルを用いて、リドカイン濃度の神経障害への影響ならびに他の局所麻酔薬の神経障害についての検討も行っていく。
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