研究概要 |
提出した研究計画に従い,本年度はラット心筋から摘出したカリウムチャネルとナトリウムチャネルのDNA抽出に取りかかった.抽出後,当DNAがそのチャネルのDNAであるかを確かめ,その後E.coliにその遺伝子を組み込み,十分な量のDNAを増殖させた後,mRNAを精製した.アフリカツメガエルの卵母細胞をアフリカツメガエルより摘出し,第4段階の卵母細胞を選んだ後,それらのmRNAを卵母細胞内に50μLずつ注入し,3〜4日,室温にて放置した.その後,二極法のパッチクランプ法を用いて,卵母細胞膜表面上のそれぞれのチャネルの発現を確認した.現在は,それぞれのサブユニットごとのチャネル活動の特徴の解析に取り組んでいる.例えば,カリウムチャネルのαサブユニットだけを発現させた場合と,αとβを同時に発現させた場合のチャネル活性を観察し,βサブユニットのチャネル活性に対する作用を解明する.それが,終了し次第,現在臨床で使用されている吸入麻酔薬イソフルランとセボフルランを暴露し,その直接作用を観察し,それらの分子レベル的な作用機序の解明に取り組もうと考えている.
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