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2001 年度 実績報告書

脊髄におけるc-Fos発現を指標とした全身麻酔薬の鎮痛作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12671492
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

深田 祐作  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (10305378)

研究分担者 村川 雅洋  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90182112)
キーワード吸入麻酔薬 / イソフルラン / エンフルラン / セボフルラン / 鎮痛作用 / ホルマリン / 脊髄後角 / fos蛋白
研究概要

以前、全身麻酔薬として最も使用頻度の高かった揮発性吸入麻酔薬のハロタン(HAL)は、電気生理学的に用量依存性に中枢神経の背景電気活動と疼痛刺激に対する反応性を抑制するものであった。しかし、その後に臨床使用されるようになったエンフルラン(ENF)、イソフルラン(ISO)、セボフルラン(SEV)は背景電気活動を抑制するが、疼痛刺激に対する反応性はむしろ増強することが知られている。臨床においても、HALは単独で十分な麻酔深度が得られたが、ENF、ISO、SEVは鎮痛薬などの併用を必要とすることが多い。本研究の目的は、これら吸入麻酔薬の差が脊髄ルベルにおける鎮痛作用に関与するものか否かを明らかにすることである。
雄のSprague-Dawley系ラット(24匹)を用い、5%ホルマリン100μlを左足底に皮下注射したのち、純酸素下に放置した対照群(n=6)、1.5MAC ENF、ISO、SEVをそれぞれ3時間吸入させて維持した群(それぞれn=6)の4群に分けた。灌流固定した腰髄の凍結切片を免疫組織化学染色し、後角のFos陽性細胞数を計測した。
ENF、ISO、SEV群の第3および4腰髄後角のFos陽性細胞数は、対照群のそれぞれ40〜50%であった(p<0.05)。各群間には有意差はなかった。
われわれが行ったHALでの同様な研究においては、今回と同様の結果が得られている。これらのことから、ホルマリン疼痛刺激に対する脊髄二次ニューロンでのFos発現抑制作用には、各種吸入麻酔薬間で差がないことが明らかとなった。大脳レベルの電気生理学的な研究結果で明らかにされている4種の吸入麻酔薬の差は、脊髄レベルおける疼痛刺激の伝播に対する作用の差ではなく、他の機構が関与するものであることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 深田 祐作, 他: "吸入麻酔薬ハロタンの脊髄レベルにおける麻酔作用の機序"麻酔. 48・9. 966-976 (1999)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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