1、予備的実験 exoU遺伝子とexoT遺伝子をknock outした緑膿菌、PA103ΔexoUexoT::Tc(PA103ΔUT)を実験動物の気道内に投与して、親株であるPA103による肺傷害と比較した。PA103の片側肺への投与により6時間以内に敗血症になったのに対し、同量のPA103ΔUTでは肺の傷害も軽度で細菌は末梢血から検出されなかった。これらより、抗ExoU抗体の遺伝子の肺胞上皮細胞への遺伝子導入に効果があることの裏付けとなる。 2、緑膿菌肺炎モデルの検証 緑膿菌肺炎の際の肺傷害の程度や全身への影響(敗血症など)について詳細な検討を行った。 3、アデノウイルスベクターの作成 肺胞上皮細胞の増殖作用をもつkeratinocyte grouth factor (KGF)が肺傷害を軽減すると期待されている。そこで、我々の緑膿菌肺炎のモデルにおいても肺の傷害を軽減する治療法になると考え、KGFのアデノウイルスベクターをIL-10のベクター作成と並行して進めている。現在マウスのfibroblastからKGFのcDNAをとりそれをクローニングベクター(PCU19)に入れ、配列等の確認を行っている。
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