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2002 年度 実績報告書

侵襲回復期におけるAKBRのsupernormal levelの意義

研究課題

研究課題/領域番号 12671510
研究機関関西医科大学

研究代表者

中谷 壽男  関西医科大学, 医学部, 教授 (70188978)

研究分担者 新谷 裕  関西医科大学, 医学部, 助手 (90309229)
キーワードAKBR / supernormal level / 動脈血中ケトン体比 / 侵襲
研究概要

初年度、二年目はAKBRの素データ集めに主眼をおいて、対象とする病状の患者のAKBRがどのような推移を示すのかの研究を行うための基盤作りを行って、多くの症例のデータを集積し、AKBRがsupernormal levelに移行してゆく事実を確認してきた。従来よりAKBRは正常範囲下限値の設定しかなかったが、正常範囲を超えてAKBRが上昇する、すなわち、肝ミトコンドリアがhyperfunctionを示す状態があることは事実である。3年目には、AKBRがssupernormal levelを示している間は、肝エネルギーレベルが低いことを示すために、追跡臨床を増やし、鋭敏に機能を反映しうるSOFA scoreなどをAKBRと組み合わせて検討してきた。
個々の症例の経過を検討すると、多臓器障害の指標として汎用されているSOFA scoreが10点を超える症例、あるいは同一症例に於いても10点を超える時期には、AKBRが従来の正常値とされる値よりも高い2.5あるいは3.0を超える例が多い。この一年間にAKBRとともにSOFAの経過を観察し得た症例でも、SOFAが10点を超えた13例で、AKBRがsupernormalに達した例は8例(62%)、境界領域2例、supernormalに至らなかった症例は3例(23%)に限られていた。このことは、SOFAが10点を超え、多臓器不全が進行中の症例で肝ミトコンドリア機能は、hyperfunctionをして、需要に見合うべく肝におけるエネルギー産生を亢進させている症例が多数であることが判る。supernormalに至らなかった3例は、アルコール性肝硬変、劇症肝炎、アナフィラキシーショック後の症例で、肝自体が一義的に障害されたために、肝ミトコンドリア機能を亢進させ得なかった症例であることが判った。
すなわち、AKBRがsupernormalの間は、肝ミトコンドリアが機能を亢進させておいるわけであるが、これはエネルギー供給が不十分な時期であることが裏付けられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Nakatani T, Shimahara Y, Ozawa K: "AKBR as a parameter of hepatic hypoxia"Crit Care & shock. 3(2). 88-100 (2000)

  • [文献書誌] 中谷壽男: "肝機能検査"救急医学. 25(10). 1197-1202 (2001)

  • [文献書誌] 中谷壽男: "動脈血中ケトン体比"救急医学. 25(7). 809-815 (2001)

  • [文献書誌] 中谷壽男: "ケトン体"救急・集中治療. 13(e). 49-53 (2001)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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