研究課題/領域番号 |
12671513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
杉山 和英 久留米大学, 医学部, 講師 (80140721)
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研究分担者 |
佐藤 輝幸 久留米大学, 医学部, 助手 (20320236)
宮川 良圭 久留米大学, 医学部, 助手 (20312150)
原田 秀樹 久留米大学, 医学部, 講師 (30198923)
松田 鶴夫 久留米工業大学, 工学部, 助教授 (60258598)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 経頭蓋磁気刺激 / 炎症性疼痛 / 温熱性痛覚過敏 / ラット / Freundアジュバント |
研究概要 |
経頭蓋磁気刺激(TMS)が難治性疼痛に有効な治療法になり得るかどうかを検討するため、炎症性疼痛を誘起したラットでTMSの鎮痛効果を調べた。【方法】雄性Wistarラット(220-260g)の左足底にcomplete Freund's adjuvant(CFA)100μl(mg/ml)を、対照として右足底に生食100μlを注入した。注入4日後から14日後において、熱刺激に対する逃避潜時と圧刺激に対する反応閾値を両側後肢で測定した。TMSは磁気刺激装置(SMN-1200、日本光電)を用い、CFA注入6-7日後に施行した。ラットをTMS群(T群)とsham TMS群(S群)に分け、T群では円形刺激コイルをラットの頭頂部から1cm離した位置に固定、S群では10cm以上離して固定し、刺激強度100%の電磁波を0.1Hzで30分間(計180発)与えた。また他の2群において、2Hzで10秒刺激、50秒休止を1周期とするTMSを、A群では5回反復(計100発)、B群では2回反復(計40発)施行した。 【結果】熱刺激に対する逃避潜時(平均値±SD秒、対照側/炎症側) TMS直前 TMS5-7時間後 TMS1日後 TMS2日後 T(n=14) 10.6±0.5/7.3±0.9 10.6±0.7/9.3±1.1 10.9±0.5/10.2±1.6 11.2±0.7/9.2±2.1 S群(n=6)10.9±0.3/7.9±0.6 11.3±0.6/8.3±0.9 11.4±0.7/8.7±1.6 A群(n=8)11.7±0.7/7.9±0.4 11.7±0.6/9.2±1.6 10.8±0.5/9.6±0.9 11.3±0.9/10.0±1.2 B群(n=7)12.0±0.8/7.8±0.6 11.6±0.7/8.9±1.5 11.1±1.0/8.9±1.1 11.3±0.6/9.3±1.8 圧刺激に対する反応閾値(平均値±SDg、対照側/炎症側) A群(n=5)23.1±4.0/14.1±3.3 24.7±4.1/14.0±3.3 25.9±2.6/15.8±3.6 B群(n=7)26.1±1.7/15.3±1.6 26.0±3.3/17.1±3.0 26.1±1.4/16.9±4.2 【まとめ】0.1Hzで30分間のTMSは、炎症側の熱刺激に対する痛覚過敏を2日間軽減したが、30分の拘束のみでは痛覚過敏を抑制しなかつた。2Hz、で10秒刺激、50秒休止を2回、または5回反復したTMSも温熱性痛覚過敏を抑制し、その効果は5回反復TMSの方が強かった。TMSは機械的圧刺激に対する痛覚過敏に対しては全く影響しなかった。TMSには炎症時の温熱性痛覚過敏を軽減する効果があると思われる。
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