研究課題/領域番号 |
12671522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小川 智 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (90283746)
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研究分担者 |
横山 修 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (90242552)
越田 潔 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (70186667)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 熱ショック蛋白 / 血管新生 / ストレス応答 / がん増殖 / 抗ガン剤 / 遺伝子治療 / Tumor growth |
研究概要 |
血管新生は胎児発生における血管系の発育に中心的役割を果たすだけでなく、生後では損傷の治癒、慢性低潅流領域における側副血行路の発達、さらに腫瘍の増殖などにも関与する生体応答であるこの生体応答を構成するのは血管内皮細胞であり、低酸素環境下における血管内皮細胞の増殖が血管新生の本態である。血流を必要とする細胞は、低酸素環境下において、VEGF(Vascular endothelial cell growth factor)をはじめとする増殖因子を産生、これに対し血管内皮細胞は増殖因子に対する受容体を発現、低潅流領域に選択的な血管新生が成立する。 従来より、低酸素環境における血管新生に関しては、腫瘍細胞をはじめとする血流要求細胞がVEGFを誘導するメカニズムのみが研究され、低酸素環境での細胞内輸送に関する研究は全くなされていなかった。本研究では、血管新生のきわめて盛んなヒトglioblastoma病理組織で、血管周囲でのORP150の発現とVEGFの発現パターンがきわめてよく一致することを見いだした。このことは、血流の相対的不足部位で、これらの小胞体分子シャペロンが腫瘍細胞からのVEGF分泌に深く関わることを示唆している。さらにアデノウイルスベクターを用いてORP150による遺伝子治療を行うことにより、強力な血管新生因子であるVEGFが低酸素環境で産生されるためには、ORP150を介する経路が必須であることを示し、将来的にはORP150の発現調節による血管新生のコントロール、ガン増殖・進行の抑止が可能であることを示した。
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