研究概要 |
多種類の抗癌剤耐性遺伝子発現の検討に使用できるDNAマイクロアレイを作製するために,GeneBankて対象となる関連遺伝子を検索し,その遺伝子に特異的なエクソンを増幅できるPCR用のプライマーを作製した。このプライマーはロシュ社のLightcyclerにも使えるように設計されたもので,同時にDNAハイブリダイゼーション・プローブ法に必要な1組の色素標識プローブも作製した。 尿路性器癌患者から同意を得て,手術時にえられた臨床材料を用いて,MTTassay法による抗癌剤感受性試験を実施した。残りの材料からmRNAの抽出,cDNAの合成をおこなった。平成12年末までに16例に抗癌剤感受性試験を実施した。一方,cDNAの合成のみを行ったのは346例である。現在,更に症例数を集めている。 臨床材料での抗癌剤耐性遺伝子の発現を検討するために,まずLightcyclerによる定量的RT-PCRを実施している。抽出されたmRNA量は検体により異なるので,ハウスキーピング遺伝子(GAPDH)の定量的RT-PCRを同時に行っている。測定された抗癌剤耐性遺伝子のmRNA量をGAPDHの発現量で除して,この値をその検体の発現量と規定した。この抗癌剤耐性遺伝子の発現量と抗癌剤感受性試験結果とを比較検討している。検討する抗癌剤耐性遺伝子の種類を現在増やしている。 次年度は,DNAチップ(DNAマイクロアレイ)を作製し,抗癌剤感受性試験の結果及び定量的RT-PCRで決定した抗癌剤耐性遺伝子の発現量と比較検討して,ターゲット検出の至適条件を決定する予定である。
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