研究課題/領域番号 |
12671544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
古賀 成彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10205354)
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研究分担者 |
林 徳真吉 長崎大学, 医学部附属病院, 助教授 (20253651)
神田 滋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20244048)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | アラキドン酸代謝 / シクロオキシゲナーゼ / 悪性腫瘍 / 腎細胞癌 |
研究概要 |
アラキドン酸代謝系はシクロオキシゲナーゼ系とリポオキシゲナーゼ系があり、両系統とも細胞増殖に深く関係していることが最近わかってきた。この研究は泌尿器科領域で治療する悪性腫瘍に対するアラキドン酸代謝系の役割、およびその酵素阻害剤による腫瘍増殖抑制効果の有無を明らかにすることを目的とした。現在も、研究は進行中であるが、腎細胞癌を中心に得られた成果を報告する。 腎細胞癌患者131名のホルマリン固定パラフィン標本を用いCOX-2、Ki-67、アポトーシス(TUNEL法)、matrix metalloproteinase-2(MMP-2)を免疫組織化学的に検討した。131名中70名(53.4%)にCOX-2の発現を認めた。COX-2はKi-67 labeling index、MMP-2発現と有意な関連がみられたが、apoptotic indexとは有意な関連がみられなかった。COX-2はhigh stage、high gradeで有意に発現率が高く、ロジスティック分析において、腫瘍径7cm以上における有意な危険因子であった。しかし、予後との関連について、単変量解析ではCOX-2は有意な予後因子であったが、stageやgradeを含む多変量解析では独立した予後因子ではなかった。COX-2は腎細胞癌において、増殖や進展に重要な役割を果たしていることが考えられた。さらに、肉腫様成分を含む腎細胞癌は、腎細胞癌の中で最も予後不良である。肉腫様成分を含む腎細胞癌において、肉腫様成分と非肉腫様成分のCOX-2発現の違いについて免疫組織化学的に検討した。COX-2の発現は肉腫様成分が非肉腫様成分に比べて、有意に高かった。 腎細胞癌においても、非ステロイド系消炎鎮痛剤の抗腫瘍効果が期待できるかもしれない。
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