研究課題/領域番号 |
12671547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
舛森 直哉 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20295356)
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研究分担者 |
佐藤 嘉一 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50235420)
塚本 泰司 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50112454)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 陰茎勃起 / 海面体内圧 / 中枢性機序 / 末梢性機序 / 徐睾 / テストステロン |
研究概要 |
従来、加齢による勃起能の低下は陰茎海綿体における機能低下が主たる要因と考えられてきた。この要因の関与は無視できないが、しかし、勃起能は脳、脊髄の高次機能による統合的調節を受けていることは明らかであり、加齢による勃起能の低下もこの調節との関係は無視できないと思われる。しかし、加齢によう勃起能の低下に中枢機能がどのようにかかわっているのかは詳細には検討されていない。この詳細が部分的にでも明らかになれば新しい勃起能低下治療薬の開発にも結びつく可能性がある。中枢機能に影響される勃起能の研究が発展してこなかった原因の1つは、この関係を的確に評価できる実験モデルがなかったことである。最近、われわれは性機能の中枢である視床下部の内側視索前野(MPOA)の電気刺激により陰茎勃起を誘発するラットモデルを確立した。本研究では、1)陰茎勃起能の評価方法としての海綿体内圧測定の妥当性検証と加齢による変化2)除睾あるいはテストステロン補充などによる内分泌環境の変化と勃起能、の2点を中心に検討を行った。除睾によるテストステロン低下により、勃起能の指標である電気刺激による陰茎海綿体内圧は著明に低下した。この低下の程度は中枢を介した勃起のほうが、末梢を介した勃起より大きかった。テストステロンの補充により、中枢および末梢を介した勃起能の回復が認められた。以上の結果から、加齢による勃起能の低下には中枢を介した機序の関与が無視できず、この機序をターゲットとした治療方法の開発が必要ではないかと推測された。
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