• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

アンドロゲンの排尿筋機能への影響-前立腺肥大症排尿障害に関与する閉塞以外の要因-

研究課題

研究課題/領域番号 12671549
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

横田 崇  福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20240939)

キーワード前立腺肥大症 / 排尿筋機能障害 / 性ホルモン / アンドロゲン / 去勢ラット / ムスカリン受容体 / 排尿筋収縮力
研究概要

(目的)前立腺肥大症をもたない高齢男性にも排尿障害が臨床上認められる。男性は加齢に伴いアンドロゲン値の低下をきたすという点に注目し、去勢(アンドロゲンの低下)が膀胱平滑筋収縮に及ぼす影響について基礎的検討を行った。(対象および方法)16週齢雄ラット(S-D系ラット)の精巣を摘出し去勢群とした。対照ラットにもsham-operationを施行し正常群とした。去勢4週後に膀胱、前立腺を摘出し、膀胱平滑筋切片を作成、自律神経作動薬および経壁(神経)電気刺激に対する収縮反応を両群間で比較した。さらに、膀胱平滑筋の収縮パワー(エネルギー)についても、等張性収縮実験から得られる短縮速度と収縮張力の関係から筋の収縮力学に基づき検討した。(結果)前立腺重量は去勢後著明に減少したが、膀胱重量には変化を認めなかった。ムスカリン受容体作動薬であるカルバコールおよびプリン受容体作動薬であるα,βmethylene-ATPに対し、それぞれの濃度反応曲線は去勢によって影響を受けていなかった。一方、経壁電気刺激による収縮反応は、低周波数域(2,4および6Hz)で去勢群において有意に低下した。また、等張性収縮において膀胱筋切片の短縮速度は去勢群で明らかに低下した。また、等張性収縮において膀胱筋切片の短縮速度は去勢群で明らかに低下した。この結果、膀胱平滑筋の収縮パワーは去勢によって有意の減少を来たすことが明らかになった。(結論)以上の結果から、去勢によってアンドロゲンが極端に低下した環境では、経壁(神経)電気刺激に対する平滑筋の収縮反応が低周波数域で低下し、かつ膀胱平滑筋自体の収縮パワーも減少することが示された。したがって、アンドロゲンは前立腺の腫大を引き起こすだけでなく、膀胱壁内の神経や膀胱平滑筋の収縮エネルギーを含め膀胱全体の膀胱収縮機能に何らかの影響を与えている可能性が示唆された。

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi