研究概要 |
現在までの研究過程として尿中のEGF,TGF-α,TGF-β1に深く関わっていることが予想されているc-erbB2遺伝子(EGF受容体の細胞内domainをcodeする遺伝子)の膀胱癌組織中での発現について、臨床像との比較解析を行った。 57症例の膀胱癌組織をPCR法にて分析した結果、18例(32%)にc-erbB2遺伝子の増幅が認められた。そしてこの増幅は膀胱癌の組織学的悪性度および浸潤度と正の相関を示した。また膀胱癌患者の生存率との相関も認められた。さらに生存率に寄与する複数の因子に関して多変量解析を行ったの結果c-erbB2の遺伝子増幅は独立した予後因子であることが証明された。 今後はさらにTGFβ1受容体遺伝子の発現との相関や尿中の各種因子の発現との相関。さらに本来の研究の主旨である表在性膀胱癌の再発との関連性についてELISA法等にて検討してゆく予定である。
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