研究課題/領域番号 |
12671563
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
蜂矢 隆彦 日本大学, 医学部, 助手 (40228482)
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研究分担者 |
岡田 清己 日本大学, 医学部, 教授 (70059301)
平野 大作 日本大学, 医学部, 助手 (40228804)
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キーワード | 前立腺癌 / 転移 / 血管内皮増殖因子 / 再発 |
研究概要 |
前立腺癌の転移増殖の過程における血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを解明し、血管内皮増殖因子抑制因子による治療の理論的至適治療開始時期が推定しするため、VEGFと予後の関連を検討中である。これまでに未治療初診前立腺癌116例に前立腺全摘除術実施した。摘出検体はホルマリン固定後平行割断し、前立腺全割面組織標本を作成した。腫瘍マッピング、腫瘍体積、分化度など病理学的因子を検討した。116例全例においてヘマトキシリン-エオシン染色による病理学的評価を終了した。病理組織学的所見:病理組織学的浸潤度は被膜内癌43例、摘出組織内癌4例、外科的切除縁陽性28例、精嚢浸潤21例、リンパ節転移19例であった。分化度は高分化癌33例、中分化癌62例、低分化癌14例、その他7例であった。116例のうち31例にVEGF免疫組織化学的染色を実施し陽性対象、陰性対象を作成し、VEGFが安定して染色される条件を設定した。VEGF染色により腺上皮、間質ともに染色されることを確認したが、現時点では腺上皮の染色性に予後と関連する一定の傾向は確認されていない。病理組織学的評価を半定量化するためラベリングインデックス、コンピューター色調解析は条件の設定をおこなった。残りの検体にVEGF免疫組織化学的染色を追加し、統計解析を実施する予定である。臨床経過の経時的検討:全症例の生化学的再発は25例、臨床的再発16例、癌死10例を確認した。VEGF染色を実施した31例では生化学的再発はこれまでに24例が再発がなく、7例に再発を確認した。臨床的再発例死亡例はこの31例には認められていない。ヌードマウスXenograftを用いた動物実験への移行は免疫組織学的解析終了後に実施する予定である。
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