研究課題/領域番号 |
12671564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平野 大作 日本大学, 医学部, 助手 (40228804)
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研究分担者 |
岡田 清己 日本大学, 医学部, 教授 (70059301)
石田 肇 日本大学, 医学部, 助教授 (70138452)
蜂矢 隆彦 日本大学, 医学部, 助手 (40228482)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 前立腺癌 / 神経内分泌細胞 / クロモグラニンA / 免疫組織化学 / 電顕 / Electron microscopic immunohistochemistry |
研究概要 |
神経内分泌細胞に特異的に染色するクロモグラニンA(CgA)抗体を一次抗体とし、LSAB法を用いて神経内分泌細胞の同定を免疫組織化学的に検討した。全症例数は以下のごとくに集計された。すなわち前立腺全摘除術で得られた前立腺癌74例と内分泌耐性癌となり癌死し、剖検より得られた内分泌耐性前立腺癌(内分泌耐性群)25例について免疫組織化学的検索を施行した。さらに前立腺全摘除術より得られた74例を術前内分泌療法未施行群31例、術前内分泌療法施行群43例に分類した。免疫組織化学的評価を前立腺癌組織におけるCgA陽性細胞の割合を4段階にスコアー化し行なった。すなわち、0:CgA陽性細胞(-)、1:CgA陽性細胞<10%、2:CgA陽性細胞10〜20%、3:CgA陽性細胞>20%とした。平均CgA陽性細胞の割合は、術前内分泌療法未施行群0.5±0.8、術前内分泌療法施行群0.7±0.6、内分泌耐性群1.7±1.0で、内分泌耐性前立腺癌組織で有意にCgA陽性細胞が増加していた。 神経内分泌細胞は電顕的にも非癌組織および癌組織においても観察された。その特徴は細胞質に多数の小円形を呈したelectron denseな分泌顆粒がみられることであった。しかし、癌組織でみられた神経内分泌細胞は明らかに核の変形や核小体がみられ、それらの生物学的特性は非癌組織にみられるものと異なるものと推定された。免疫電顕的観察では神経内分泌細胞における分泌顆粒の特異的反応はみられなかった。 また、二重免疫組織化学的手法を用いてCgAとアンドロゲンレセプターの局在を検討したところ、神経内分泌細胞はアンドロゲンレセプターを有していないことが判明した。 以上のことから、癌組織にみられる神経内分泌細胞は前立腺癌の増殖およびホルモン耐性獲得に関与していると推測された。
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