研究課題/領域番号 |
12671568
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
勝岡 洋治 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10051757)
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研究分担者 |
坂元 武 大阪医科大学, 医学部, 助手 (00340555)
北澤 荘平 神戸大学, 大学院・医学部研究科, 助教授 (90186239)
中島 元夫 ノバルティスファーマ, 創薬研究本部, 部長
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キーワード | 膀胱癌 / ヘパラナーゼ / 転移 / 浸潤 |
研究概要 |
今年度はヒト膀胱癌細胞、253BV細胞をヌードマウスの是頭骨の骨膜を人工的に損傷した部位に移植し膀胱癌骨転移モデルの作成を試みた。骨膜損傷移植部位に約80%の程度で腫瘍の形成を認めたが、内服的かつ顕微鏡的に骨基質への浸潤は認められなかった。 そこで同細胞をヌードマウス膀胱に移植(同所性移植)し腫瘍の形成および転移の有無を検討したところ、全例に腫瘍の形成と肺転移を認めた。肺転移巣からの細胞を更に同所性腫瘍を行うという手技を3回繰り替えして樹立した細胞253BV-3はparental cellである253JBV細胞に比べてヘパラナーゼの発現は約8倍と高かった。 一方、これらの細胞におけるマトリックスメタロプロティネース-2および-9の発現には差を認めなかった。この結果は我々が以前に報告したヒト膀胱癌切除組織を用いた研究でのhigh stage(転移性、浸潤性)のものはlow gradeのものに比べてヘパラナーゼの発現は有意に高いという知見と一致した。すなわち、膀胱癌の転移にはヘパラナーゼが非常に重要であることを示すものであった。 現在この樹立した高転移膀胱癌株253JJB-3細胞をヌードマウスに移植した膀胱癌の肺転移動物モデルを用いてヘパラナーゼアンチセンスオリゴヌクレオチドによる遺伝子治療の研究を進めている。
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