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2001 年度 実績報告書

腸管利用尿路変向におけるシスプラチンの体内動態-ラットモデルを用いて-

研究課題

研究課題/領域番号 12671570
研究機関福岡大学

研究代表者

有吉 朝美  福岡大学, 医学部, 教授 (00078768)

研究分担者 富田 能弘  福岡大学, 医学部, 助手 (60341434)
キーワード腸管利用尿路変向 / シスプラチン / 体内動態 / ラット実験モデル
研究概要

今年度の計画変更に基づき,急性期実験を行い次の結果を得た.
対象:雄Wistar rat 10〜12週令,回腸導管群5匹・コントロール群5匹に対し実験を行った.
方法:計画通り回腸導管モデルとコントロール群を作成.シスプラチン1mg/kgを尾静脈ルートよりbolus投与.投与後20分の時点で切開を上腹部まで伸ばし,下大静脈(IVC)と門脈(Portal Vein)を露出させ,IVC, Portal V.からそれぞれ1mlずっ採血.同時に20分間の蓄尿も行った.
lVC, Portal V.のシスプラチン血中濃度と蓄尿検体の尿量,尿中濃度,尿中排泄量を測定.またPortal V.の血中濃度をIVC血中濃度で除し,P/l比として算出.それぞれコントロール群と回腸導管群を対応のないt検定で比較した.
結果:体重は両群で差を認めなかった(p=0.51).シスプラチンのIVC・Portal V.濃度は回腸導管群よりコントロール群で高い傾向が見られたが,有意差はなかった(p=0.06,p=0.08).P/l比・尿量・尿中濃度・尿中排泄量に関しても両群に差はなかった(p=0.14,p=0.55,p=0.54,p=0.94).
考察:有意差はなかったがコントロール群で血中濃度が高い傾向にあったのは,回腸導管群ではシスプラチンの再吸収以上に水の移動が大きかった可能性がある.この結果,門脈内のシスプラチン濃度が高くならず,結果として全身血である下大静脈との間に濃度差が現れなかったと推測される.今回の実験からは急性期には血中濃度として大きな変化がないと推察出来るかもしれない.しかし,尿路変向を行った状態では何度も排泄と再吸収を繰り返す事を勘案すると,長期的な観察で血中濃度の遷延化が起こる可能性がある.

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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