研究課題/領域番号 |
12671579
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 敏博 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80219063)
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研究分担者 |
五十嵐 敏雄 帝京大学, 医学部附属市原病院, 講師 (10311622)
末永 昭彦 埼玉医科大学, 総合医療センター, 助手 (10302712)
岡垣 竜吾 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00302711)
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キーワード | インヒビン / アクチビン / フォリスタチン / PCOS / 顆粒膜細胞 |
研究概要 |
昨年度までの研究において、ヒト卵胞液および卵巣顆粒膜細胞におけるインヒビン・アクチビン・フォリスタチン システムに関与する物質のタンパクレベルならびにサブユニットのmRNAレベルでの発現を観察した。このうちインヒビンαおよびβAサブユニットのmRNAは月経開始直後の低レベルな段階から排卵期にいたる過程で増加していくことが示された。一方、正常な卵胞発育が認められない卵巣過剰刺激症候群(PCOS)においては、直径5-8mmの段階で卵胞発育が停止状態にあり、この原因は未だ解明されてはいない。当然生理的過程のいずれかの過程が障害されている可能性があり、その意味でインヒビン・アクチビン・フォリスタチン システムの障害も要因として十分に考えられる。今回PCOS患者からの卵巣顆粒膜細胞を、インフォームドコンセントを十分に取った後に採取し、これに含まれるインヒビン/アクチビン サブユニットおよびフォリスタチンサブタイプmRNA量を定量的RT-PCRにより測定した。その結果、インヒビンβBサブユニットおよびフォリスタチンサブタイプ(FS288,FS315)mRNA量は卵胞径をマッチさせた正常月経周期を有する女性の顆粒膜細胞と差は認められなかったが、インヒビンαおよびβAサブユニットmRNAは有意に低値を示し々これらの低値と卵胞発育の停止との因果関係は不明であるが、何らかの関与が示唆された。
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