研究概要 |
1.3アドレナリン受容体(AR)agonist投与のラットモデルによる骨髄脂肪計測:β3AR agonist(BRL35135)投与のラットモデルを用いて、β3AR agonist投与の有無、卵巣摘出の有無により4群にわけて、腰椎と脛骨について薄切標本を作成して、海綿骨骨形態計測と脂肪計測を行った。結論として、骨のリモデリングと骨髄脂肪細胞数には密接な関連があること、腰椎と脛骨ではβ3AR agonist投与や卵巣摘出による骨髄脂肪細胞の形態変化が異なることが明らかとなった(研究発表2、5)。 また、卵巣摘出による肥満ラットにおいてβ3AR agonistは体重減少なく内臓脂肪を減らすことが明らかとなった。さらに、妊娠授乳ラットを用いて同様な骨髄脂肪の解析を行ったところ、分娩後は授乳の有無に関わらず、骨髄脂肪細胞量・数が急激に減少することも明らかになった(研究発表1、4)。 2.紫雲寺町の骨密度検診:本研究費により、2000年9〜10月に約200名を対象にDXA法による腰椎骨密度検診を行い、同意の得られた女性から血液を採取し、DNAの抽出を行った。過去7年間の解析により、乳製品からのカルシウム摂取量の変化と腰椎骨密度の変化は、1年目には相関を認めないが、3年目で正の相関を示すことが判明した。また、カルシウム摂取量の変化と腰椎骨密度の変化との相関には、ビタミンD受容体遺伝子多型(Taq I, APa I)が関与している可能性が示唆された(論文投稿中)。現在までのところ、エストロゲン受容体遺伝子多型、β3AR遺伝子多型、UCP遺伝子多型の関与は認められない。
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